株式会社LightDoor

LightDoor CASE

弊社でのAI活用事例

弊社を知り尽くしたAIを、全社員に配るまでの記録。

弊社もツールを乗り換え、二重に課金し、AIに振り回されておりました。そこから社内に蓄積したデータとノウハウをAIに教え、決まりを1本にまとめて全社員へ配るところまで到達しております。いまはその方法そのものが、貴社へお渡しするAI研修になりました。何が効いて何が効かなかったかを、数字とともに包み隠さず公開いたします。

弊社がたどった道のりを、そのまま公開いたします

貴社へお渡しするAI研修は、弊社が自社で作ったものです。うまくいった話だけでなく、遠回りした話も、あえて自動化しなかった判断も、同じだけ載せております。

01 苦労した

ツールを比べていた1年

無料で始め、乗り換え、二重に課金する。ツールの話ばかりを追いかけ、自社の業務が何時間減ったのかは測れておりませんでした。

この時期を見る

02 到達した

決まりを作り、全社員に配った

過去の記録271本をAIに読ませて決まりを書き、全社ルール・案件ごと・個人設定の3段に分けて社員10名へ配りました。

いまの状態を見る

03 商品になった

その方法が、AI研修になりました

社内の効率化として始めたことが、1ヶ月後には新しい売上をつくる商品になっております。

商品になるまでを見る

弊社が最も効いたと考えていること

効いたのは、便利な仕組みを増やしたことではありません。AIに自社のデータとノウハウを教え、決まりを1本にまとめて、全社員へ同じ形で配ったことでした。決まりがあるから、どなたが使っても同じ基準になり、自動化した仕組みが放置されずに使われ続けます。

この順番を逆にすると、作った仕組みが使われないまま残ります。弊社も先に仕組みから作ってしまい、一度ここでつまずいております。

弊社もAIに振り回されておりました

最初にお伝えしておきたいことがございます。弊社もここに至るまで、ずいぶん迷って回り道をしてしまいました。

2025年6月 ChatGPTを無料で使い始める 調べ物と文章の下書きに使うだけの段階
2026年2月 Claudeへ乗り換え、課金 ツールを比べることに時間を使っていた
2026年6月 ChatGPTにも課金(二重) 一部の作業をChatGPT側へ移管
2026年7月〜 Claudeの全社導入を意思決定 8月8日から構築を始め、社員全員が同じ決まりで使う形にした

この約1年、目に入るのはツールの話ばかりで、自社の業務が実際にどれだけ楽になったのかは、ほとんど測れておりませんでした。

無料で始める → 乗り換える → 両方に課金する、という迷走です。効き始めたのは、ツールを比べるのをやめ、業務が何時間減ったかを測るようになってからでした。

同じところでお困りの不動産会社様は、少なくないのではないかと考えております。だからこそ、成功した話だけでなく、遠回りした話も同じだけお伝えいたします。

これからの時代、AI活用は必須になります

AIを使うか使わないかをご検討いただく時期は、すでに過ぎたと考えております。実際に手を動かして分かったのは、AIの活用が遅れれば遅れるほど、成長が鈍化するということ、正しく使わないとむしろ後退してしまうということです。弊社が通ってきた道のりを、5つの段階に分けて整理いたしました。

Phase 1 質問するAI 2025年 多くの不動産会社様
Phase 2 一緒に作るAI 2026年前半
Phase 3 仕事を任せるAI 2026年7月〜 弊社はいまここ
段階が上がるほど、AIに任せる単位が「質問」から「仕事」へ大きくなります。上がるほど1ヶ月で進む距離も変わるため、差は時間とともに開きます。
5つの段階を、1つずつ見る
  1. 質問するAI|2025年
    「これを考えて」「文章を書いて」。調べ物と文章の下書きに使う段階。ブラウザのチャット画面が主戦場になります。
  2. 一緒に作るAI|2026年前半
    「このプロジェクトを一緒に進める」。単発の質問ではなく、案件の前提を共有したうえで相談する段階です。
  3. 仕事を任せるAI|← いまここ
    「この一式を確認して、問題を直して、動くところまで確かめて」。指示の単位が作業から仕事に変わります。弊社が2026年7月に到達したのがこの段階で、本資料の実装はすべてここから生まれています。
  4. 複数のAIを管理する|おそらく次
    「Claudeは開発、ChatGPTは調査と資料、別のエージェントは運用」。役割ごとにAIを使い分け、人はその配分を決める側に回ります。
  5. AI組織を設計する
    人間がすべての作業をするのではなく、人間 → AIマネージャー → 複数のエージェント → 社内データや各種サービス、という構造になっていきます。

ソフトバンクグループ 孫会長が示された見通しと重なります

2026年7月14日のSoftBank World 2026において、孫正義会長がAIの進化を3つの段階で説明されております。質問に答える「対話」から、目標を伝えれば自ら考えて24時間動き続ける「エージェント」へ、そして人間の知性を超える「ASI(人工超知能)」へという道筋です。上の表のPhase 3「仕事を任せるAI」は、この「エージェント」の入口にあたります。

孫会長の講演との対応を詳しく見る(3つの段階、2040年の見通し、出典)

孫会長が示された3つの段階は、質問に答える「対話」、目標を伝えれば自ら考えて24時間動き続ける「エージェント」、そして人間の知性を超える「ASI(人工超知能)」です。

上の表のPhase 3「仕事を任せるAI」は、孫会長が言われる「エージェント」の入口にあたります。目標を伝えれば、あとは自分で考えて動く。弊社が2026年7月に到達したのは、まさにこの段階でした。

さらに孫会長は、2040年にはAIが世界の年間GDPの約2割(およそ7,000兆円)を生み、AIエージェントが100兆個の規模まで拡大し、10億体のヒューマノイドが動く社会になると示されております。上の表のPhase 4「複数のAIを管理する」とPhase 5「AI組織を設計する」は、その入口の話です。

弊社が申し上げたいのは、この見通しが正しいかどうかではございません。いま手を動かしている会社は、すでにPhase 3にいるという事実です。Phase 1のままお待ちになる理由は、もう見当たらないと考えております。

出典:2040年には、世界GDPの20%を生む「ASI Economy」に。企業はどう備えるべきか ー SoftBank World 2026 孫正義 講演レポート(ソフトバンクニュース)/講演の全編は こちらの動画でご覧いただけます。経営者の言葉でAIの全体像を語られているため、弊社では社内の参考資料としても使っております。

弊社での実績|数字で見る

最も効いたのは、仕組みを作ることではなくAIに自社の決まりを教えたことでした。決まりを作ったから、社員全員が同じ手順で自動化を使えるようになり、結果として全員の作業が軽くなっております。使い始めてから30日の間に、通常業務を進めながら構築しました。

約5万字AIに教えた決まり(全社ルール・案件ごとの決まり・個人の設定)
10名同じ決まりでAIを使っている社員。代表だけではありません
13本決まりの上で動いている仕組み(毎日自動で動く5本、頼めば動く連携8本)
271本AIへ読ませた記録(議事録・商談・文字起こし)。約25万字のmdファイルの作成に使いました
約25万字そこから作った運用マニュアル(mdファイル4本)
573件実測した運用データ。社内の判断基準を作り直しました
84件AIと作った資料(報告書・提案書・議事録・手順書)
160,662件棚卸しした共有ドライブのファイル(2,963GB)
0人このために採用・外注したエンジニア

決まりは、思いつきで書いたものではありません。過去の記録を全量AIに読ませ、実測で裏を取ってから書いております。

仕組みの本数は、決まりがあった結果として増えたものです。順番を逆にすると、作った仕組みが使われないまま残ります。

難しいのは構築することではなく、何を構築するかを決めることでした。だからこそAI研修では、初回にお時間を頂き、貴社の現状を伺うところから始めております。

活用事例

弊社が自社で構築した事例です。一人ひとりが自分の手で使うもの、営業や管理などの部門の業務に効くもの、全社に効くものの3つに分けてご紹介いたします。

個人での活用

毎朝の確認の自動化

毎朝決まった時刻に、メール・Slack・Chatwork・LINE・カレンダーを横断して確認し、その日に対応が必要なものだけを本人宛に送らせています。パソコンを開いていなくても動きます。

効いたのは時間の節約よりも「見落としがないと分かっている状態で朝を始められる」ことでした。役職を問わず使えます。

スマートフォンからの操作

外出先や移動中に指示を出し、席に戻ったときには終わっている、という使い方です。席にいる時間が短い方ほど効きます。営業のご担当者様には、この形が最も分かりやすいかと存じます。

組織での活用

営業|提供サービスの均質化

弊社で最も規模の大きい案件です。月次の振り返り会の準備は、過去の経緯・数値・言い回しの確認が必要で、担当者の時間を最も消費しておりました。

議事録177本・商談47本・全文文字起こし47本の計271本をAIに読ませ、話し方のルール集/質問応答集/指標基準値/実測データの4ファイル、約25万字にまとめております。

AIに読ませた材料と、そこから見られるようにしたこと

読ませたのは議事録だけではありません。営業担当が過去に行った商談の記録、振り返り会の全文、社内マニュアル約60件、研修動画、そして過去にお客様へお出しした振り返り資料の全量です。そこから4つのことを見られるようにしました。

  • 報告した数字の良し悪しを、どの基準で判断していたか
  • どんな提案をして、お客様がどう反応したか
  • 失注した案件で、何が理由だったか
  • 振り返り会の説明が、実際の数字と合っていたか

ここで分かったのは、担当者によって言うことが違うという問題でした。

原因は、事実と解釈が混ざっていたことでした。実際に測った結果(事実)と、社内で語り継がれてきた感覚(解釈)が、同じ顔をして会話に出てきていたのです。

最も重い発見を見る(誤った合格ラインが、3年間資料に印字されていた)

社内で「これを超えれば合格」とされていた指標が4つありました。実測データで検証したところ、4つとも実際の数字と合っておらず、すべて廃止いたしました。

問題は、それが会話の中だけの話ではなかったことです。誤った数字は資料のテンプレートに焼き付いており、約3年にわたって毎月自動的に再生産され続けておりました。担当者は誰も疑っておりません。テンプレートに印字されているものを、疑う理由がないためです。

AIに過去の資料を全量読ませなければ、この事実には気づけませんでした。人が172本の資料を並べて見比べる作業は、現実には行われないためです。

変わったこと(担当者が違っても、同じ判断になりました)

担当者が違っても、同じ判断になりました。「これは良い」「これは物足りない」の線が1本に揃い、お客様へのご説明がぶれなくなっています。

数字の扱い方も決めました。基準は実測データにあるものだけを使う。基準がない指標については「まだ基準がない」と正直に申し上げる。憶測で合格ラインを作らない。この3つです。

振り返り会では、伸びた指標より先に、伸びていない指標とその実数をお見せする形に変えました。

退職した担当者の商談記録が、次の担当者の教科書になりました

読ませた商談記録の大半は、すでに退職した担当者が単独で進めたものでした。通常であれば、その知見は退職と同時に失われます。

AIに全件を読ませ、うまくいった返し方、してはいけない説明、判断を上に上げるべき場面を抜き出しました。いまは新しく担当を持つ社員が、前任者の型を最初から読める状態にしております。

AIに過去の記録を読ませるときの注意(記録をそのまま正としてはいけません)

記録に書いてあることを、そのまま正としてはいけません。

議事録は、確定前の社内の感覚が語られた場でもあります。そのままAIに反映させると、実測で作り直したはずの基準が、読み進めるたびに古い数字へ戻ってしまいます。

そこで読解ルールに「議事録からは言い回しを拾う。数値基準は拾わない。数値は実測データからのみ取る」と明記いたしました。

営業|提案資料の作成

クライアント様(広島の売買仲介会社A社様)から、リールの改善について3つのご相談をいただいたときの話です。やり取りの画面を1枚貼り、「提出用の事例報告書を作りましょう。弊社の定例資料を見れば、運用している各アカウントの事例を確かめられるはずです」と3行で頼みました。

AIは全社ルールと案件フォルダの決まりを読み、定例資料から数字を拾い、各アカウントの投稿を確かめて、報告書を1つ目の会話で作りました。人が指摘を入れて提出用に整えたのが2つ目の会話で、その後の更新は3回ほどで済んでおります。

短い指示で足りたのは、全社ルール・案件ごとの決まり・定例資料・資料の作り方(スキル)・過去のやり取りの記憶がそろっていたからです。この報告書でAIが間違えた点は、7章に載せております。

管理|請求書の処理と、振込の下書き

毎月届く請求書を、AIが読んで処理いたします。支払先・金額・支払期限を一覧にし、銀行の画面で振込の下書きを、確認画面の手前まで作らせています。そのあと請求書のPDFを、共有ドライブの当月フォルダへ格納し、元のフォルダから消します。

人が行うのは、確認画面を見て実行を押すことだけです。振込を確定させる操作は、AIには絶対にさせておりません。金額の入力までは機械が正確に行い、お金が動く一押しだけを人が持つ。この線引きにしております。

経理のご担当者様がいらっしゃらない会社様ほど、効きやすい形かと存じます。

管理|納品資料と検収書の作成

資料作成ももちろん自動化が可能です。特に弊社は、LIFULL様の案件を協力会社として担当しております。上場企業様とのお取引では、納品資料や検収書を定められた形式で正しく収める必要があり、このバックオフィス業務に時間がかかっておりました。

自動化する前 月5時間
自動化した後 月1時間

残った1時間は、出来上がった資料を人が確認する時間です。作成そのものは毎月同じ手順で自動的に回っています。

納品資料と検収書の作成にかかっていた時間の変化です。ゼロにはしておりません。人の確認だけを残しました。

管理|共有ドライブのファイル整理

最も分かりやすく、効果がその場で目に見える案件でした。160,662件・2,963GBを全件走査し、1,521件・11.06GBを削除しております(失敗0件)。

共有ドライブ全体 160,662件・2,963GB 全件を走査 同名・同サイズを抽出 中身を1バイトずつ照合 完全に一致した 原本が見つからない 削除した 1,521件・11.06GB(失敗0件) あえて残した 845件・16.1GB 機械で判定できないものは、中身が分かる人が判断する
自動化の質は、どこまで消したかではなく、どこで止めたかで決まると考えております。

消す条件は厳しく設計しました。同じフォルダに同名・同サイズの原本があり、かつ中身を1バイトずつ照合して完全に一致したものだけです。一方で、原本が見つからない845件・16.1GBはあえて残しました。機械で判定できないものは、中身が分かる人が判断する。ここを分けております。

全社での活用

代表だけでなく、社員全員が同じ決まりで使う

ここまでの事例は代表が構築したものですが、使うのは社員全員です。そのために、AIに読ませる決まりを全社ルール1本、担当クライアント様のフォルダごとに1本、社員ごとの個人設定1本の3段に分けて置きました。作業する場所に応じて、この3つが重なって効きます。

会社の仕事の場所(G:\共有ドライブ) 「共有ドライブ」は一覧を見せる入口です。直下にファイルは置けません 00_admin 全社ルール・手順書 01_営業資料 提案書のテンプレート 02〜04 立ち上げ・マニュアル 05〜07 振り返り・自社集客 A社様 CLAUDE.md+資料 B社様 CLAUDE.md+資料 C社様 CLAUDE.md+資料 … 約50社 1社が1つの独立した箱 箱は横に並んでいるだけで、親子の関係はありません。 そのため「上のフォルダの決まりが下に効く」ことは起きません。 担当のフォルダを開けば、その1社の決まりだけが効きます。 自分だけの場所 マイドライブ 自分のアカウントの領域です。 個人情報を含むデータや、 自分用のメモはここに置きます パソコンの中 社員ごとの個人設定と、 AIの記憶・会話の履歴です。 ドライブには同期されません 置き場所は3つです。会社の仕事、自分だけの領域、パソコンの中。 機密を含むものを共有の場所に置かない、という線引きがそのまま形になっています。
弊社の実際の構えです。社名は伏せております。フォルダが横並びのため、決まりは置いた場所でしか効きません。だからこそ、全社共通の1本と、クライアント様ごとの1本を分けて置いております。

運用してみて効いたのは、決まりを使うたびに書き足すことでした。指摘を受けた日に該当の行を足すので、同じ間違いが起きにくくなります。導入のときは社員向けの研修と手順書を用意し、10分で自分の設定を入れられるようにしました。

社員ごとに業務が何時間減ったかは、いま測っている途中です。数字が出た時点で本資料に載せます。

決まりに書いたのは、業務の手順だけではありません

全社ルールには、表記の決まりのほかに「何を大切にするか」「何をしてはいけないか」まで書いております。社内の会話ログと定例の記録をAIに読ませ、代表が普段どういう言い方で伝えているかを書き出して、決まりに入れました。

たとえば、弊社が最も大切にしている次の4つは、そのまま決まりの文言にしております。

  • お取引先は「クライアント様」、業界の会社は「不動産会社様」と必ずお呼びすること
  • ご担当者様のお名前と、これまでのやり取りを覚えておくこと
  • どの場面でも、失礼のない言葉で応じること
  • いただいた信頼を守ること。判断に迷ったときは、守る側を選ぶこと

AIは、教えていないことは分かりません。裏を返せば、書いておけば全員のAIが同じ姿勢で応じます。弊社が最も大切にしている信頼を守るという一点も、決まりに書いてはじめて、社員10名それぞれのAIに同じように効くようになりました。

何を材料にして書いたのか

材料にしたのは、社内グループのLINEのやり取りと、定例会議の記録です。それをAIに読ませ、実際に使っている言い方を抜き出しました。机の上で考えた言葉ではありません。

呼び方や姿勢の決まりも同じで、代表が普段どう書いているかをそのまま材料にしております。クライアント様のお名前は、正式な社名に様を付けて書く。この一行も、実際のやり取りから拾って決まりにいたしました。

やってみて分かったのは、AIに何を教えるかを決める作業が、自社の文化を文字にする作業そのものだったということでした。これまで社内で「なんとなく共有されていたこと」が、初めて読める形になりました。

人が入れ替わっても、基準と手順が残る形になりました

弊社は直近2年で7名が入社し、現在10名の全員が同じ決まりでAIを使っております。

新しく入った方が担当のフォルダを開くと、そのクライアント様の前提、担当、確認の順番、社内の言葉遣いが、その場で効きます。引き継ぎ資料を人が書き起こす必要がありません。教える側の負担が減り、入る側も早く動けるようになりました。

学生時代からAIを使ってきた方が、これから社会に出てまいります。その方々が入社して「まずは手で転記してください」と言われたとき、どう感じるか。AIを使う会社かどうかは、採用の条件になりつつあると考えております。

自社の改善が、商品になりました

弊社がAIに振り回されていた状態から抜け出せたのは、自社のデータとノウハウをAIに教え、決まりを全社員へ配ったからでした。そしてその方法そのものが、いま貴社へお渡しする商品になっております。

1つ目は、AI検索対策です。ChatGPTやClaudeに「◯◯市 不動産会社 おすすめ」と尋ねたとき、自社が挙がるかどうかを実際に測る仕組みを作りました。まず自社サイトで検証し、そのうえで測定に使う外部サービスを5社と契約して、クライアント様へご提供できる形にしております。

2つ目は、本資料のもとになっているAI研修です。自社で構築した記録を整理し、不動産会社様向けのプログラムとして商品にいたしました。現在は、LIFULL様を通じてご紹介いただく形での提供準備を進めております。

貴社にお渡しするのは、弊社が実際に通った手順そのものです。何をどこまでご一緒するかは、不動産会社様向けAI研修のご案内にまとめております。

自社での実践 回すほど社内のノウハウが蓄積されます 1. 自社の業務をAIで改善する 社内の作業を減らすために手を動かします 2. 決まりと記録が貯まる 何が効いて、どこで止めたかが文字で残ります 3. それが商品になる 現場でいただく声が、次の改善の材料になります
3で得たものが1に戻ります。自社の改善と、お客様へお渡しする商品が、同じ1つの輪の中で回っている状態です。先に手を動かした分だけ、この輪が早く回り始めます。

早く始めておいてよかったこと

AIの導入を、費用として見るか投資として見るかで、結果が変わります。

弊社の場合、社内の作業を減らすために始めたことが、1ヶ月後には新しい売上をつくる商品になっておりました。先に手を動かした会社が、その経験そのものを商品にできる。いまはそういう時期だと考えております。

逆に申しますと、いまお持ちの業務知識をAIに教える作業は、早く始めた会社ほど蓄積が積み上がります。あとから同じ量を追いつくのは、時間の分だけ難しくなります。

つまずいたこと

本資料で最もお役に立てる箇所と考えております。いずれも事前には分からず、実際に手を動かして判明したことです。

機密情報を指示書に書くと、無関係な作業でも読み込まれる

最も危険なつまずきでした。具体例で申し上げます。

従業員の年収。面談で伺った個人的な悩み。次の人事の構想。いずれも通常は、社長の手元だけにある情報です。

弊社は当初、これらを「AIに把握させておいた方が相談しやすい」と考えておりました。危ないのは、指示書に書いた情報が作業のたびに全文読み込まれるという点です。まったく関係のない資料を作っている最中にも、毎回AIの手元に載り続けます。

共有のフォルダに置けば、そのフォルダで作業する社員のAIも同じ情報を読みます。事前には気づけませんでした。

対処:機密情報は指示書に書かず、フォルダごと物理的に分離いたしました。共有ドライブとは別に、限られた人だけがアクセスできる場所へ専用フォルダを用意し、その中でのみ相談する運用としております。

この設計は後から直すことが難しいため、最初に決めるべき項目です。

AIに合わせて、こちらのやり方を変える

資料づくりを自動化しようとした話です。AIに画像として資料を作らせ、スライドに貼る方式にしたところ、同じ指示でも毎回デザインが変わりました。崩れを防ぐルールを足していきましたが、増やすほど質が落ちていきます。

画像で作っていたとき
  • 1枚あたりの字数を決める
  • 1枚ずつ依頼する。まとめて頼まない
  • 毎回、見本の画像をファイルで添付する
  • 文言は一字一句そのまま使わせる
  • 修正は2回まで。3回目に入るなら中身を見直す

制約を増やすほど、依頼そのもののコストが上がっていきました。5回検証しても合格水準には届いておりません。

Webページに変えたあと
  • 5つのルールは、すべて不要になりました

字数制限も、1枚ずつの依頼も、見本の添付も、修正回数の上限も。いずれも「1枚の画像」という小さな器に収めるための対策だったため、器が変わった時点で存在理由がなくなりました。

直したのは指示の出し方ではなく、成果物の作り方です。ルールが増え続けているときは、指示ではなく作業のやり方の方を疑う、という判断に切り替えました。

直したのは指示ではありません。成果物を、スライドに貼る画像からWebページに変えました。5つのルールは、器を変えた時点ですべて不要になっております。

ここから得た教訓

AIを自分たちのやり方に合わせるのではなく、AIが得意な形に自分たちが合わせる。これが最も早い道でした。

ルールが増え続けているときは、指示ではなく作業のやり方の方を疑います。順応するのは我々の側だと決めておくと、判断が早くなります。

AIは「資料に書いてあること」で作る。書いていないことは人が持っている

5章の提案資料の話の続きです。AIが1つ目の会話で作った初稿は、体裁も流れも整っていました。それでも、そのまま出せない点が4つありました。

  1. 数字の背景を知らない
    公開されている再生数を見て「フォロワー数の10倍で好調」と書きました。実際は投稿ごとに広告をかけており、動画そのものの指標は下がっていました。広告の有無は資料に書いていなかったのです。
  2. 経緯を知らない
    動画の冒頭の会社紹介を「押しが強い原因」と断定しました。その冒頭は弊社が2ヶ月前に提案して入れた変更で、そのまま出せば自分たちの提案を否定する報告になるところでした。
  3. 事例の合う・合わないを判断できない
    別の地域の、売却の知識を解説する動画を事例に選んでいました。相手は戸建の仲介会社様です。同じ物件を2通りに作り比べた事例に差し替えました。
  4. 言葉の細部
    「判断させる」を「判断してもらう」に、投稿月の誤りを正しい月に直し、出典を2つ足しました。

ここから得た教訓

AIは、資料に書いてあることで作ります。書いていないこと(広告の有無、自分たちの提案の経緯、相手に合う事例か)は、人が持っています。だから成果物は必ず人が確かめてから出します。

そして、直した内容はAIの記憶と決まりに残しました。次の報告書からは、同じ間違いが起きにくくなります。この積み重ねが、8章でお伝えする「効くのは何を教えたか」の中身です。

決まりは、増やすだけでは効かなくなります

決まりを足し続けた結果、毎回読ませる全社ルールが長くなってきました。長くなるほど、守られない行が出ます。対処として、毎回読ませる本体は短く保ち、詳しい手順は必要なときだけ読む別のファイルへ分けております。あわせて四半期に1回、重複と矛盾を削る棚卸しを行っております。

ここから分かること

AIに振り回されていた状態から、AIと一緒に仕事ができるようになるまでに、弊社が確かだと考えている5点です。

01

AIの活用は必須

「AIは思ったほど使えない」というご判断の方ほど、AIの使い方を覚えるだけで、業務の効率も質も格段に向上します。そして、導入が遅れれば遅れるほど、競合との差は開いていきます。

02

採用の条件になりつつある

学生時代からAIを使ってきた方が、これから社会に出てまいります。入社して「まずは手で転記してください」と言われたとき、その方はどう感じるでしょうか。AIを使う会社かどうかは、若い方が入社先を選ぶ基準になりつつあります。逆に、決まりを整えておけば、新しく入った方が初日から同じ前提と確認の順番で動けます。

03

効くのは「何を教えたか」

同じAIを使っても、自社の前提を教えてあるかどうかで結果がまったく変わります。差が出るのはAIの性能ではありません。とくに実測した事実と、社内の解釈を分けて教えられるかが分かれ目になります。

04

止める場所を、先に決める

機密情報をどこに置くかは、後から直すことが最も難しい部分です。どこまでをAIに任せ、どこから人が確認するのか。この線引きも、動き出す前に決めておく必要があります。

05

できないなら、やり方を変える

自動化できない作業に出会ったとき、指示を工夫し続けても解決しないことがあります。ルールが増え続けるのであれば、作業のやり方そのものを疑う方が近道です。

最後に

振り返って最も無駄だったのは、どのツールが良いかを比べていた時間でした。効き始めたのは、業務が何時間減ったかを測るようになってからです。

本資料に挙げた内容は、特別な技術で構築したものではございません。弊社にプログラマーは在籍しておらず、すべてAIへの日本語の指示によるものです。

難しいのは構築することではなく、何を構築するかを決めることでした。だからこそAI研修では、初回にお時間を頂き、貴社の現状を伺うところから始めております。